・・・ヴァージニア   @ A B     
1612年、インディアンのプリンセスであったポカホンタスの夫ジョン・ロルフがヴァージニアにたばこの種を持ってきて育てたのが始まりです。生産地は、ヴァージニア州、ノースカロライナ州、サウスカロライナ州、フロリダ州、そしてジョージア州ですが、日本はもちろんインド、アフリカ等世界的な規模でその生産地が広がっています。ヴァージニアは土壌や、乾燥方法などにより色や喫味が変わります。バーレー同様ストレートでも喫煙でき、キャラクターもフルボディーからライトまで色々ありますが、バーレーよりは強めな芳香と甘さを持ち、オイル分が少なくマイルドな喫煙ができます。燃焼速度は、乾燥方法や製造方法によって違いがあります。


・オリエント C 
ターキッシュと呼ぶこともあります。バルカン半島 からトルコ、シリア、キプロス島で作られるたばこで、ラタキアもオリエントに含まれています。オリエントの独特の香味と喫味は、パイプたばこのブレンドにはなくてはならないものです。


・ラタキア D
たばこの燻製です。1870年ごろシリア地中海沿岸地方ラージキーアのラタキア市でたばこ農夫が、収穫が多すぎたため、自宅の天井裏に余ったたばこを積んで置きっ放しにしました。当時、家庭での煮炊きの燃料はらくだの糞だったので、天井裏にあったたばこは燻製され強烈な臭いを発するようになりました。農夫は、そのたばこを普段喫煙している自分のたばこにブレンドして喫ったところ、今までに経験したこのない素晴らしい香りを発したので驚きました。これがラタキアの発見でした。現在では、各種のハーブや木片を炊いてスモークさせ、キュアリングさせています。オイリーな暗褐色に変化したたばこは、酸味のある甘みを持ちますが非常に強く、ストレートでの喫煙は不向きです。しかし、プランタの「ベロウアーズ・ラタキア」のように、ラタキアをストレートでも喫煙できるようにマイルドに仕上げた製品も出ています。


・ペリク E 
たばこの漬物です。1790年アメリカ建国直後、カナダのフランス人ピエール・チェネがルイジアナのセント・ジェームズ・パリッシュで地元のインディアン・チャクタウ族とチッカソー族の間で作られていたたばこに興味を持ちました。作り方は、大木を刳り貫き、たばこを詰め強圧を加え、ジュースを絞り出します。そのジュースと1ポンドほど束ねられたたばこをオークの樽に入れて、圧力をかけて熟成発酵させます。取り出されたたばこは、約2週間自然乾燥させます。この工程を2回行い、その後、10ヶ月間加圧します。出来上がったたばこは、黒か黒に近い茶色となり、強い発酵臭を伴います。チェネは、独自の製法を加え商品として市場に出しました。名前の「ペリク」は、ピエール・チェネのニックネームだったペリクから付けられたものです。ペリクは、ニューオーリンズの西方80キロにあるこの街でしかできないたばこです。作るのに大変手間がかかり、1960年代には20数社あったメーカーが、現在では数家族だけになっています。非常に強い芳香もっているので、上限5%程度までのブレンドをお勧めします。ペリクをストレートで喫煙するのは無理があります。


・バーレー  F 
1864年にアメリカで初めて作られました。たばこの中で一番香料の浸透性がいいので、よくバニラ、チェリー等の香り付けに使われています。パイプたばこでは一番多く使われているバーレーは、クリーンでマイルド、ナチュラルな喫味を持っているので、ブレンドに加えることにより喫味を軽くする役目をします。アメリカでの産地はテネシー州、ケンタッキー州、オハイオ州南部。バーレーはほとんどの種類のたばこに容易にブレンドすることができるため、ベースになるたばこのひとつとして重要です。喫煙しているたばこが、極端に甘かったり、強すぎたりした場合は、バーレーを50%までの目安でブレンディングするとマイルドになります。最近流行のキューブカットはバーレーが使われています。


・キャヴェンディッシュ  G
1660年前後、ニューキャスル公爵のウイリアム・キャヴェンディッシュ公がこの製法を編み出しました。キャヴェンディッシュには、甘味成分を加えたものと生のままのたばこを使った2種類があります。甘味成分は、メープルシロップ、砂糖水、ラム、蜂蜜等で、加熱加圧してたばこを熟成させています。英語の表記では、甘味香料つきは“Flavored”あるいは“Sweet Aroma”など、甘味香料が着いていないものは“Pure”と表示されています。


・ケンタッキー  H 
アメリカのみでなく、世界各地で作られているたばこです。キックのあるたばこで、パイプたばこでは、強さを出したいときに使われます。


メリーランド
アメリカのメリーランド南部、ポトマック川とチェサピーク湾に囲まれた地域でしか作られていません。たばこは、薄く、渇き気味ですが火持ちがいいのが特徴です。喫味はフラットで、たばこ自体の香りも薄いので、火持ちの悪い製品にブレンドすると燃焼性が良くなり味もマイルドになります。非常に生産量の少ないたばこです。

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